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「G」-クライシス (前篇)
2012-08-07 Tue 00:14
 4歳の頃

 トラウマ・・・精神的外傷。

 辞書で調べると・・恐怖・ショック・異常経験などにより精神に受けた傷とある。

 誰にだって一つや二つ思い当たる心の傷があるであろう。ある人は失恋かも知れないし、ある人はいじめかもしれない、ある人は交通事故であったり、心につき刺さる冷たい言葉だったりするだろう。
 どれにしてもそれはつらい思い出である。

 僕も人生の中でいくつかのトラウマ体験がある。
 
 その中の一つが「G」である。
 
 「G」といっても別にゴルゴ13に命を狙われたわけではない。ここに登場する「G」とは、夏になると台所などに現れるあのおそるべき黒い物体の事である。「ゴ・・・」などと言葉にするのもおぞましいため、ここではコードネームのごとき「G」と表記させていただく。

 ヤツが僕のトラウマとなる事件が起きたのは、僕がまだ幼い頃、4歳の頃の事である。かわいい少年はとある夏の夕暮れ、ひとりでお風呂に入っていた。

 「もう、自分で体も洗えるもんね」
 「頭だって平気だもんね」

 などとシャンプーハットをカッパのごとく頭に乗っけて少年は気分よく入浴時間を過ごしていた。
時間はまだ夕刻の5時頃、窓の外はまだまだ明るく、真夏の午後の日差しがようやく力を弱め、夕暮れの気配がかすかに感じられるそんな時刻である。ヒグラシの鳴き声が少しさびしげに忍び込んでくる。

 シャンプータイムを終えた少年はおもむろにシャンプーハットを外すと一人で洗えた満足感に心を満たしながらふと窓の外を見渡した。

 その時である、窓の外にカブトムシの姿が見えたのだ。ご存じカブトムシは少年の夏のヒーローである、時代は40年以上前、当時は東京でも、明け方や夜中に当たりをつけていたクヌギの木に行くと、カナブンやハナムグリに交じってこのスーパーヒーローを目にすることができたのだ。
 カブトムシは羽ばたきながら風呂場に向かって飛び込んでくる。僕は興奮した、こんな幸運はめったにお目にかかれない。
 カブトムシは勢いよく風呂場に飛び込んでくると、まるでクヌギの木と見間違えたがごとく、何と僕の足首あたりに止まった、そして次の瞬間・・ものすごい速さで僕の足から首へ向けて走り出したのである!!

 「カ、カブトムシ じゃなーい!!!」

 というのが僕のトラウマ体験である。

 それ以来、「G」は僕の天敵となった。大人になった今でも「怖いものワースト1」に45年連続で君臨し続けている。特にトラウマ体験から間もない小学生時代はその恐怖と戦い続けていた。

 ヤツの恐ろしさを挙げれば枚挙にいとまがない。

 まずはあのグロテスクなフォルムである。黒光りする背中に長く揺れる触覚、ああ、こうして記述するだけで鳥肌が立ってくる。
 
 次に登場の仕方である、ヤツは夜行性であるがゆえに、夜になるとコソコソと現れる、暗闇の中で活動しているがゆえに、夜中に台所やトイレに行き、電気を点けた途端に「ギャー!!」という登場と相成るわけである、非常に心臓によくない。
 
 さらには、あの機動性である、あんなに速いヤツはそうはいない、ウサインボルトのごとく高速で徘徊する、いわば「忍者」だ。
 
 それに対してスーパーヒーロー「カブトムシ」は堂々としている、いわば「殿様」だ。
 もしカブトムシが「G」のように高速で走ったらその威厳は即座に消え去り、単なる同じ「黒い虫」として世間の「白い眼」に晒されるに違いない。
 
ヤツは天井にまで現れる、寝ている時にふと天井を見上げると「G」が天井に張り付いていたりすることがある。その瞬間、僕は毛が逆立ち一瞬のうちに全身が凍りつく。その恐怖たるや、「貞子」が一度に10人現れたのに匹敵するものである。
 僕は身を固める、というより動けないのだ。ひとまずヤツの動きを目で追う。天井を逆さまに動き回るという正に黒い「忍者」のごときヤツの動きは人間の能力をその点で凌駕している。

 『恐るべし「G」・・』

 その時である!天井の「G」は引力に負けたのか、はてまた足を滑らせたのか、天井吸着に耐えきれず、何と僕の寝ている布団に向けて落下して来るではないか!!

 「ギャーーー!!!」

 ヤツは忍者は忍者でも「見習い」であったのだ!
 「忍たまG太郎」だったのだ!
 修行が足りない!!

 僕は脱兎のごとく布団から飛び去り、危機一髪、ヤツの着陸現場となることを回避した。もう心臓はバクバクである。

 さらにやつは「飛ぶ」のだ。壁などに出現した時、普通の人は新聞紙を片手にヤツにアタックを食らわしたりするのだろうが、僕にはそんなことは不可能だ。最低5メートルは離れて科学特捜隊のアラシ隊員がスパイダーショットを放つがごとく殺虫剤を発射する、これが僕の精いっぱいの攻撃だ。
 するとヤツは突然予告もなく部屋の中に飛翔を始めたりするのだ。

 この思いもよらぬ敵の攻撃にアラシ隊員は再び
 「ギャーーー!!!」
 と悲鳴を上げて退散するのだ。

 まだまだある。

 ヤツにスパイダーショットが命中し
 
 「よし!科特隊の勝利だ!」と思ったのもぬか喜び
 
 弱った状態で本棚の陰なぞに逃げ込んだりする。
 すると、姿は見えぬのにカサカサと音がするのだ!
 この「カサカサ攻撃」は意外に強烈で僕の精神を蝕むのだ。

 そんなに怖いのなら戦わずに部屋から逃げればいいではないかという人がいるかもしれない。しかし、それは「素人」である。一度逃げたら、もうその部屋には帰れない。ヤツが部屋にいない、もしくは退治したことを確認しない限り、部屋はヤツに乗っ取られたことになるではないか。

 そして、究極の怖さはその「心理的攻撃」にある。

 例えば、夏の間、僕は靴を履くのが非常に怖い。
 お分かりであろう・・もし「G」が靴の中に身を潜めていたら・・

 「ギャーーー!!!」

 「G」―クライシス には際限がない。

 小学生時代、「G」の恐怖と闘い続けた僕は、中学に入学した夏を前に「G」に挑戦する決心をした。


 つづく


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同志よ(^^)
ユズキ さんへ

共にこの夏「G」と闘いましょう(^^)

コメントありがとうございました。
2014-07-26 Sat 00:17 | URL | おのみち たかし #-[ 内容変更] | top↑
こんにちわ~(*´∀`*)

笑ってはいけないけど、つい笑ってしまいました(ゲホッ)

判ります判ります、Gのその凄まじい驚異><!

わたしのGに関するトラウマは、なんといっても飛んでいたコトを目にした時です。

小学生の頃田舎のおばあちゃん宅で、夜ふと目が覚めると開けっ放しの窓の方から、2匹の何かが飛んでいくのが見えたんです。

まるでスローモーションのように記憶しているそれが、Gだと瞬時に気づいて硬直!

奴も飛べるということを間の当たりにした瞬間でした><
台所方面に消えていったGは、その後台所にいたおばあちゃんや親と大騒ぎで追い掛け回されてようですが、なんか、飛んでる姿を見てしまった激しいショックが今でも忘れられません><

あの素早い動きといい、こっちの殺気を感知する勘の良さといい、人間の最大の敵ですねー!
2014-07-24 Thu 16:07 | URL | ユズキ #mQop/nM.[ 内容変更] | top↑

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