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血なまぐさいお話
2012-06-27 Wed 02:53
4歳の頃

 血を見るのは誰でも苦手だ。
 血を見るのが三度の飯より大好きだという人はそうはいないだろう。
 たとえいたとしてもあまりお友達にはなりたくない。

 出産を経験しない分、男の方が血には弱いらしい。
 僕もどちらかというと・・というか・・断然弱い気がする。
 中学校でフナの解剖をした時も気分が悪くなった。
 4歳の時に交通事故で血まみれになった苦い過去もある。

 手術なるものも3回ほど経験した。うち一度は麻酔が効かぬままお尻をメスで切られるといった、なかなか経験できない貴重な体験である。
( ※ 詳しくは、過去ログ「痛かった話」を読んでいただきたい )

 最も近い手術は10年ほど前の事だ。
 自宅の前で日曜日にバスケットボールでドリブルの真似事などをしていた時である。不規則にバウンドしたボールが不意に右手の薬指を直撃した。激痛が走る。

「あ、折れた・・・」

 人生で一度も骨折経験のなかった僕だが、一瞬にしてそれが分かったのだ。それは経験則に拠らない、直感であり、しかも確信でもあった。

 見る見るうちに指が腫れ上がった。

(い・・いたいです・・・)

 というわけで、近所の整形外科に駆け込む。救急で診てもらうと予想通り骨折とのこと。

「じゃ、手術します」

 というわけで、僕は人生3度目の手術とあいなった。

 1度目は4歳、しかも交通事故のあとの出血多量で意識もなく、したがって恐怖の記憶は皆無である。

 2度目はこれまた交通事故によるものだ。
「お尻に鉄のボルトが7センチも刺さっちゃった事件」であり
「手術するとき麻酔が効いてなくてとっても痛かった事件」である。
 この時は逆に「怖かった」という記憶でいっぱいだ。

 交通事故に関してはこの他にも2回ほど経験した、全くもって反省のない人生を歩んでいる気がする。

 今回の手術の特徴は、リアルタイムで見学が可能だということである。
 先生がレントゲン写真を見ながらこうおっしゃった。

「ほら、ここが折れてるでしょ」
「はい」
「すぐにはくっつかないから、針金を縦に入れてね、骨を固定するの」
「えっ・・・」
「1ヶ月くらいするとくっつくから、そしたら針金をまた抜くの」

この時点で気の弱い僕は卒倒寸前である。
 
「指の先から針金が出るようになるから、ギブスで固定して、薬指だけは1ヶ月お風呂禁止かな」

(指先から針金が飛び出したまま1ヶ月・・ひえーーー!!)

 ホラー映画のような恐ろしい光景を先生は淡々と説明される。
 僕はその場で観念した。
(煮るなり、焼くなり、ご自由にしてください・・・)

 そして、手術が始まった。
 手術は椅子に座ったまま行われる。右手を台の上に差し出す感じでのっける。もちろん部分麻酔なので、自分の指が「切られ」「針金を入れられ」「骨と固定され」「その後縫合され」という一連の手術を見ようと思えばリアルタイムで見られるわけである。
 ブラックジャックが鏡を見ながら自分で自分を手術するのに比べれば屁でもないだろうが血が苦手な僕にとっては十分な恐怖だ。

「じゃ、やりましょうか、20分もあれば終わるから」
「カーテンしますけど、見たかったら見ててもいいですよ」
「いえ・・・けっこうです・・」

 僕は丁重にお断りし、手術は始まった。

 カーテン越しだが、今度は見えない分だけちょっと怖い。
 麻酔はちゃんと効いており、痛みはないが、それでも指を切られる感覚、針金であろう異物が指に入る感覚などは十分に分かる。
 そして、テーブルの上に次第に積み重なっていく血染めのガーゼ・・
 これが目に入った時・・僕は思った

(やっぱり・血は苦手です・・・)

 手術は無事に成功し、その後僕は1ヶ月ほど、指から針金が飛び出た「ミニフランケンシュタイン」の気分を味わうこととなる。

 足を骨折して長い間ギブスをしているとギブスをとってもしばらくは歩けなくなると聞く。僕の指もそうだった。一ヶ月針金君が入って伸びっ放しになっていたわけで、再手術して針金を抜いた後も薬指だけは電信柱のように突っ張って立ちそびえている。
 
 ここで、指を曲げるリハビリが必要だったのだ。ブラックジャックだって全身の大手術の後に、死ぬ思いでリハビリに励んでいた。それに引き替えこの僕はたかが指一本であるにもかかわらずどうにも痛くてサボってしまった。おかげで10年経った今も第一関節が曲がらないままである。
 ブラックジャックは偉大だ。

 今でも指の甲には手術の傷あとがくっきりと残っている。

 さて、血なまぐさいお話はさらに30年以上タイムスリップする。

 一部を除いて記憶が鮮明でないので、正確さに欠ける部分があるかもしれない、もしかしたら、かすかな記憶が誇張されて残っているかもしれないが、新聞記事を書くわけではないのでその点はどうかご容赦願いたい。

 おぼろげな記憶がある。
 小学校に入る前の事だ。

 白昼、家の近所にパトカーのサイレンの音が聞こえた。
 当時のサイレンは「ピーポーピーポー」ではなく
 消防車同様「ウーウー」といううなり声だった気がする。

(おや、何かあったな?)

 少年の好奇心が疼いた。

(何だか騒がしいぞ・・)

 少年は2階の窓から顔をのぞかせてみた。

(人だかりがしている)

 見ると100メートルほど先の住宅街の交差点付近、パトライトの点滅と警官らしき人の姿、それを取り巻く野次馬のごとき人垣。

(事件だ! これは見に行かねば)

 少年探偵団の小林少年よろしく、僕は使命感と好奇心に煽られ家を飛び出した。

 人垣のそばまで駆けつけるが背の低い少年には先の光景が目に入らない、その時さらに救急車がサイレンを鳴らして到着した。何があったかは分からないが子供心にもただならぬ雰囲気を感じる。
 少年は大人の波をかき分け、野次馬根性丸出しで人ごみをかき分けて前へと進んでいった。

 その時である!

 少年の目にとんでもない光景が飛び込んできた。

 それは「真っ赤な」物体だった。
 一瞬何があったか分からず目を凝らすとそれは・・
「血だらけの人間」だったのだ!

 両サイドを警官に抱えられるようにして初老のやせた男が歩いている。
 男は白いステテコ姿なのだが、そのステテコが全身真っ赤に血で染まっているのだ!

(ひえーーこわいよー)

 僕のおぼろげな記憶では、真っ赤な男は警官に付き添われながらも自力で歩いて救急車の中に入っていった。

 救急車に乗り込む瞬間、男の目と少年の目が一瞬衝突する。

 その瞬間の映像がまるでシャッターを切ったかのように切り取られ、少年の頭の中に刻みこまれた。すこし髪の薄い頭、しわの寄った痩せた顔、そして何より真っ白なステテコを染めた鮮血の赤!

 僕の頭にこの映像だけが強烈に残っている。

 うわさによれば、何かのトラブルで男同士が刃物を持って格闘したのだという。それ以上の事は定かではない。

 何はともあれ血なまぐさいお話である。

 あっ、ちょっとめまいが・・・



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