QLOOKアクセス解析
ちょっと真面目な教育の話
2015-06-01 Mon 00:00
15年前のお話

高校生の頃から学校の先生を目指した。
特別に心に残る先生に出会ったわけでもなかった。
逆にそれだから憧れたのかもしれない。

大学を出て夢は現実のものとなり僕は憧れの中学校の教壇に立った。

それから16年間。
もがきながらも先生を続けた。

でも、僕は挫折して先生を辞めてしまった。

理由は一言では語れないけど
精神的にけっこう追いつめられて
「死んじゃうよりは辞めた方がいい」
という後ろ向きの理由だった。

僕を苦しめたものの一つに校則の指導があった。

僕は日頃の行いが悪かったせいか赴任した三校がすべて「荒れた」学校だった。

こうした学校では勉強を教えることよりも「生活指導」に日々の多くの時間を割かれる。

「たばこ」に「シンナー」「ケンカ」に「いじめ」「授業妨害」に「万引き」とバリエーションには事欠かない。
自慢にはならないが16年の間に「殺人」以外の非行には全て遭遇した。

だが、こうした問題行動の指導はきついにはきついが割と心に迷いがない。
だれがどう見ても「いけないこと」だから、体張ってでもぶつかっていくことができるのだ。

そうした中で僕は「校則指導」に悩んだ。
具体的に1つ挙げれば「頭髪」の指導である。

「茶髪」はおそらくほとんどの中学校では禁止になっていることと思う。

「中学生が茶髪にするなんてとんでもない・・指導するのが当たり前だ」
「きまりを守ることを教えるのが学校、先生の役目だ」
「生徒に安易に迎合するな」

これは正論である、正論には誰も勝てない、でも、僕と同じように悩んでいる先生はきっといるはずだと思う。

目の前に茶髪の生徒がいる。
校則違反だ。

この生徒は茶髪を除けば何も悪いところがない。
勉強もちゃんとするし、当番もまじめに行う、部活でも活躍しているし友達も多い。
両親も頭髪以外のことは全て協力してくれる。

でも校則に違反しているので注意しなければならない。

無理やり染めることはできないので話をして説得する。
本人が了解し、家庭の了解も取れると主事室に連れて行き黒染めのヘアカラーで髪を黒く染める。
あらかじめ学校にはヘアカラーが用意してあるのだ。

この時、僕はいつも自問自答しながら指導をしていた。

(決まりだから守らせなくちゃだめだ)
(一人の違反を見逃せば他の子供たちも崩れていく)

大義名分を掲げながら生徒の髪を黒く染めた。

その反面いつも心の中で矛盾を抱えていた。

(いいんじゃないの、茶髪でも・・)

ふと周りを見渡す。
小学校では親の意思で茶髪にさせている子がたまにいるが多くは校則にないのでそのまま。
地域の公立高校は指導しきれないのか、自主性に任せているのか、茶髪の生徒が山のようにいた、けれどもみんなが不良かといえば決してそんなことはない。
大学生、社会人も茶髪の人は多い、しかし別に勉強や仕事をいい加減にしているわけでもない。
国を代表するオリンピックのメダリストも子供たちが憧れるJリーガーも茶髪や金髪に笑顔でインタビューに答えている。

そんな中で「中学校」の中だけが「校則」で許されない。

毎日、頭髪検査をしたり少しでも髪の赤い生徒を呼び出して注意していると当然ながら生徒との関係が悪くなってくる。

「おはよう!」と笑顔で声をかける前に「髪の毛赤いぞ」と怖い顔で注意しなければならない。
これが何回と続くと生徒は先生を「憎しみ」にも似た目でにらみつけてくる。

頭髪だけ目をつぶれば本当に良好な関係が築けるのに・・それが叶わない。

僕は心の底で「校則」を恨んだ。
それは指導しきれない自分からの「逃げ」だったのかもしれない。
しかしそれでいて
「校則をなくそう」と職員会議で訴える覚悟と勇気も持てなかった。

結果、「義務」と「常識」という鎧で気持ちを覆いながら校則指導を続けているうちに僕は精神を病んでしまったのである。

今でも自分の中で結論は出ていない。
「決まり」を守ることは大切なことだ、そのことに迷いはない。
でも茶髪もピアスもスカート丈の短さも「絶対的な規則違反」ではない。
彼らや彼女らが私服のアメリカンスクールに通っていたならば「普通の生徒」になるのである。
でもその中学校の中では「違反」となり「指導されるべき生徒」となってしまうのだ。

「そんなこと言っても所属する集団の規則を守るのは当然だよ」

正論だ。
反論できない。

だから僕は挫折してしまった。


辞めてから15年近くが過ぎた。
今、僕は「個人的には」こう思う。
校則は次の三つで十分ではないかと・・

○ 時間を守る
○ 役目を果たす
○ 他人に迷惑をかけない

これだけを生徒はきちんと守り、先生は守る気持ちを育てる。

そうすれば学校は先生にとっても生徒にとってももっと居心地のいい場所になるんじゃないかな。



教室









関連記事
別窓 | 随筆 | コメント:2 | トラックバック:0 | top↑
<<ある雨の休日 | つれづれペンペン草  おのみちたかし | ささやかなハプニング>>
「楽」
miss.key さんへ

なるほど「楽をするため」ですか。そう考えると逆に自分で自分の首を絞めている気がしますね。きまりは多ければ多いほど守らせるのが困難になってきます。「きまり守らせ地獄」が始まるのです。

根本から変わらないとという思いがあるけど、もう何十年も変わらないのを見てるときっとこのままなんだろうな・・

コメントありがとうございました(^^)
2015-06-03 Wed 01:58 | URL | おのみちたかし #-[ 内容変更] | top↑
学校が楽したいだけなんだよね
 校則が厳しいのは単に学校が楽をしたいだけだったりする。だって、楽だもん。いちいち説明する必要が無い。話し合う必要が無い。校則で決ってるから。それだけよ。あれも駄目、これも駄目。迷惑かどうかの線引きも要らない。考えなくていい。楽々。ひでぇもんだ。
 時にまともな考えを持った人が教師になったりする。学校の常識と言う非常識の壁にぶち当たる。悲しいかな、まともな人ほど教壇から離れていく。
2015-06-01 Mon 22:23 | URL | miss.key #eRuZ.D2c[ 内容変更] | top↑

管理者だけに閲覧

トラックバック URL

FC2ブログユーザー専用トラックバック URL
| つれづれペンペン草  おのみちたかし |

検索フォーム

Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる