FC2ブログ
QLOOKアクセス解析
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 | top↑
人生午後1時
2013-08-26 Mon 02:42
20歳の頃

 大学に入学してまもなく僕は病気にかかった。その名も「五月病」である。結構、重症だった。大学合格を目指して必死に受験勉強していた毎日から解き放たれてバラ色の学生生活のはずが・・いざ入学してみると青年を待ち受けていたものは・・
 講義はマンモス教室でのマイクを使ったマス授業、それまでの学校生活と違い自分の教室もなければ、机もない、自分の居場所がなくなった感覚で、ほどなく登校拒否に・・
 何をするのも億劫でやる気が起きない・・周りから見れば贅沢な悩みだと思うが本人にとっては非常に辛い。しっかりとした目的や目標を持たずにとりあえず大学の合格だけを目指して受験勉強をしていると、入学後にこうなるらしい。僕の場合、治癒に半年ほどかかり、危うく大学を辞める瀬戸際までいったのだ

 僕は自主的に「休学」してアルバイトを始めた。バイトしている間はなんとなくぼんやりとした充実感があって「生きている」感じがした。でもって、また学校に行くとやっぱり授業が退屈で仕方ない、何のために勉強するのか・・毎日が哲学である。
 チャラチャラ遊んでいる学友を見ると更に気分が重くなった。(遊んでんじゃねーよ)などと心の中で叫ぶ、おそらく付き合うには何ともめんどくさいやつであったろう。

 一ヶ月ほど自主休学した僕はバイト先の工場で同じ大学生と出会う。名前は町田くんといった。僕より二つほど年上の大学三年生だった。初対面の時から何となく気になり、三日目には休憩時間に話すようになった。不思議な魅力のある人で、無表情で飄々とした立ち居振る舞いは、日々の鬱屈感に悩む僕にはない独特の「軽さ」のようなものがあった。

 ある日、その日も休憩時間に二人きりになったので僕は思い切って聞いてみた。

「町田さん、卒業したら何をやるんですか?」
「うん、エンジニアになるつもりさ」

 町田くんは理系の学生だった。

「いいですね、俺、今何も目標がなくて・・」
「そうなんだ・・」

 町田くんには何でも本音を言えるような気がして、僕はもう少し悩みを相談してみた。

「何だか、このまま何もしないで時間が過ぎていくみたいでたまらなく焦るんです」

 その時の町田くんの答えである。

「焦ることないんじゃない・・人生を一日に直せば、二十歳なんて朝の6時くらいじゃない、まだ起きたばかりで寝ぼけてるんだよ」

 この言葉を聞いて僕はしばらく沈黙した、そして

「そうか・・まだ朝の6時か・・」

 よく使われる喩えだが、その時の僕の心に染み入るように入っていったのを覚えている。

 一週間のバイトを終え、その後町田くんとは永久の別れとなるが、この言葉で僕の気持ちはすっと楽になりそして大学に復帰することができたのだ。

 この喩えはその後も様々な場面で自分を元気づけ、また、同じように悩んでいる人がいたときには町田くんの言葉を受け売りして進んで使ってみた。

 その後僕は中学の先生になるのだが、卒業文集ではいつもこの言葉を卒業生への「贈る言葉」としていた。

 君たちはまだ15歳、一日に喩えればまだ目覚める前の夜中の3時すぎだ。まもなく空が白んできて、君たちは朝を迎える。今、学校でしている勉強や、友達との付き合い、様々な体験、そして数々の悩みさえも・・それは目覚めたあとに生きていく糧として今、蓄えられているんだ。
 やがて目覚めたら、力いっぱい走り出せ、一生懸命に走ればきっと昼飯も美味い、疲れた時はちょっと休んでお茶でも飲めばいい、再び走り出した先にはきれいな夕焼けも見えるだろう。そうして頑張った者には安らかで楽しい夜の宴が待っている。
 そこまで走りきる体力をつけるために、今の勉強があるんだ!

 ちょっといいでしょ?

 その後僕は人生の中で何度か仕事で挫折し、40歳で二度目の転職をした。転職活動中は正直、精神的にはかなりきつかった。若い頃の転職と違い、そう簡単に仕事が見つからないからである。

 そんな時もこの町田君の言葉は僕に心のしなやかさを与えてくれた。

「人生まだ午後1時!さあ、また頑張ろう!」

 前向きになれる言葉ですよね。

 ちょっぴり恥ずかしながら・・
 その頃作った歌の歌詞です・・
 今、もしもあの時の僕と同じように悩んでいる人がいたら
 この言葉を贈ります。


♪ 今日は一日仕事に疲れて 臆病風が身体をよぎる
  誰かの何気ない言葉さえ 胸に突き刺さる

  吹き付ける雨に傘も折られた
  うつむけば涙もこぼれて
  重い足取り 引きずる心 全てが嫌になるけど・・

  でも 人生まだ午後1時・・
  少しだけ足を止めて休むもいい
  やがて訪れる夕焼けの空に向けて
  また歩き出す それも人生 ♪



青空とサラリーマン





 

関連記事
別窓 | 随筆 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<<夏は激辛 | つれづれペンペン草  おのみちたかし | 魅惑のマネキン>>

管理者だけに閲覧

トラックバック URL

FC2ブログユーザー専用トラックバック URL
| つれづれペンペン草  おのみちたかし |

検索フォーム

Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。