① 立候補 メリットとしては何と言っても当人のやる気がある。上手くいけばこれほど頼りになる官房長官はいないだろう。まさに担任の片腕となって粉骨砕身働いてくれる。 しかし実はこの選出法、常に大きな危険が付きまとうのだ。おちゃらけた奴が目立ちたくて手を挙げることや、自分の力を客観的に判断できずに自己啓発の意気込みで思わず名乗りを上げる者、さらには最悪のパターンとして、ジャイアンのごとき為政者を目指すヤツが、クラスや学校の支配までも視野に入れて立候補してくることなどがいわゆる昔の「荒れた」学校ではよく見られた。 立候補した生徒を担任が無下に却下することもできず、若い先生は時々失敗することになる。その後の閣内運営は苦労の山だ。
② 推薦 これまた一般的な選出方法だ。メリットとしては立候補の最後に記した沈黙の時間が避けられる点にある。デメリットとしてはいわゆる「押し付け」が生まれることだ。誰かを推薦することで自分が役から逃げるという策略を立てる者がいる。自分以外の誰かががやってくれるだろうという依存や、当然の帰結としてやりたくないのに推薦された場合には全くやる気のない官房長官の誕生も現実に起こりがちだ。
③ 投票 一見、公平性がある。選ばれた生徒もみんなが名前を書いてくれたのだからという喜びや、やる気につながるというメリットもある。 しかし、これも慎重に行わないととんでもないことが起きる。一つは、いわゆる「人気投票」になりがちなことである。クラス一のイケメン君が実力抜きに選ばれる可能性は否定できない。 次に派閥の力学である。以心伝心の根回しと共に組織票が当選を決めることが間々起こるのだ。最悪のケースとしては、クラスのいじめられっ子をターゲットに悪意の組織票が投ぜられ、選ばれて困惑する姿を見て喜ぶなどは崩壊したクラスの末期的な現象として一度だけ見たことがあった。